
The RZA Tape

名前は、本名の頭文字と、「カミソリ」を意味する「Razor」をもじったもので、ウータン・クランの事実上のリーダーであり、またグレイブディガズの一員でもある。
ほとんどすべてのウータン・クランのアルバム、メンバーたちのソロ活動、さらにグループと関係するアーティストたちの作品のプロデュースも手がけてきた。いくつかの映画音楽も手がけてきた。彼の音楽性は、常に進化してきている。また、早回しにされたソウル音楽のサンプリングの使用、カニエ・ウエストやジャスト・ブレイズなどの人気プロデューサーに影響を与えたこと、非常に高音で活用される弦楽器音、アバンギャルド的な音楽性、アンダーグランド・ヒップホップ界のアーティストたちの創造性を刺激してきた実験的な手法など、ヒップホップに革新をもたらしてきた。ウータン・クランの特徴的な音作りは、彼の手でなされてきたと言ってよい存在である。マーシャルアーツ映画を愛好し、創作活動の面で映画からは大きな影響を受けている。
GZAのまたの名がザ・ジーニアス(天才)Liquid Swords』は今でも不朽の作品であり続け、その偉大さはGZAがアルバムの再現ライヴを行なっている事実に反映されている。それはクラシック・ロックやプログレッシブな作品で得ることのできるような恩恵だ。しかし『Liquid Swords』は新境地を切り開き、“最高のヒップホップ・アルバム”の一つに常に選ばれるだけではなく、ジャンルは関係なく史上最高の音楽作品にも挙げられている。